エルフ娘
エルフ娘
 
  ―― ソウ…… 貴方の理想はこのコなのね。
 
 再度、鏡の像は歪み、そこには俺の理想の女性像が浮かんでいた。
 さらりとしたロングヘアを纏い、綺麗な顔立ちをしたセーラー服姿の少女。パステルカラーの髪からさり気に覗かせている尖った耳が少女がエルフであることを物語っている。胸は小ぶりだが型は良く、全体のラインと併せて微妙なバランスを醸し出している。
 そう彼女は俺が昔からやり込んでるゲームのヒロインで俺の理想にピッタリと一致していだ。ただ現実世界では存在し得ないのでとっくの昔に諦めていた。
 でも、もしかして……。この『悪魔』なら。
 
  ―― ソウ。私は悪魔。だからどんなコでも貴方にあげるコトができる。このコがいいのね?
 
 この娘、この娘を俺のものにする事が出来る……。
「あ、あぁ」
 俺は、思わずそう呟いていた……。
 
  ―― ワカッタワ……
 
 『悪魔』がそう言うと同時に俺は眩しい闇に包まれた。

From 『これは夢オチ 番外編 「ナイトテラー」


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