夢刃アルト
夢刃アルト 「暑い」

 服の襟首を摘まんでパタパタさせつつ、ギンギンに照りつける太陽に愚痴を言ったのは夢刃アルト(ゆめば あると)こと、アッちゃん。
 これは内緒だけど、あたしを魔法少女に任命した夢の国の使者だったりする。

「そりゃ、夏だもん」
「暑い暑い暑い暑い暑い、あっちぃ〜!!」
「そだね、夏っぽくて良いよね♪」

 そう言えば、アッちゃんはなぜだか知らないけど、いつも男の子みたいな言葉使いをしている。綺麗系の容姿に全くあってないんだけど、それかなぜか男の子に受けていたりするから不思議。
 ……アッちゃん自身は気付いていないようなんだけど。

「……、サーラは暑くないのかよ……」
「ん〜、確かに暑いけど。 夏ってこんな物だよ?」
「それで納得できるおまえが信じらんねぇ」
「アッちゃんもそんなに暑いなら、お母さんが用意してくれた服に着替えてくれば良かったのに……」

 アッちゃんは夏なのにも関わらず、いつもの身体のラインを隠すような厚手の長袖の上下を着ている。折角あたしより女っぽい体つきしてるのに勿体無いと思う。

「いやだっ。あんな恥かしいの着るぐらいなら死んだ方がましだっ!」

From 『魔法少女プリティー・サーラ 春SP(デレクターズ・カット)


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